石灰剤のモニタリングを活用した採卵鶏農場におけるサルモネラ清浄化への取り組み

摘要

鶏卵に起因する人の健康障害因子としてサルモネラ属菌による食中毒が挙げられることから,採卵鶏農場におけるサルモネラ対策は食品衛生上重要視されている。環境中のサルモネラ属菌が鶏卵を直接的あるいは間接的に汚染することから,当所管内においても採卵鶏農家のサルモネラ属菌に対する危機意識は高く,自主的にサルモネラ検査を実施している農場も多い。サルモネラ属菌が鶏舎内環境で検出された際の対策は,鶏舎の消毒を徹底することにより鶏群への汚染を防除することである。しかし,オールアウト時の消毒とは異なり,鶏群を飼養しながらの畜舎消毒は鶏や卵へ影響を与えることから,有用な消毒薬の選択肢は限られる。