瞬芽ブドウ種子成分IGS4000の杭腫瘍作用

摘要

がんは日本人の死因のトップであり，がん患者 数は年々増加している。従来の治療法には，手術, 放射線治療，薬物療法があるが，最も広く用いら れている薬物療法では，抗がん剤や分子標的薬の 投与によりがん細胞を攻撃して死滅させ，がん細 胞の増殖を抑えることで治療効果を発揮する。抗 がん剤は全身的に作用するため原発巣から離れた がんにも効果的だが，吐き気，下痢，s党毛などの重 篤な副作用が頻繁に発生する問題がある。近 年，医薬品とサプリメントの相互作用に関する報 告が増えており，杭がん剤力ペシタビンと葉酸サ プリメントの併用により薬効が増強されることが 報告されているこのことは，抗がん剤とサプ リメントを併用することで一定の治療効果を持続 しつつ杭がん剤の使用量を減らすことができる可 能性を示唆している。しかし一方では，ビタミン B12サプリメントを摂取し続けた乳がん患者の抗 がん剤の有効性が低下したことも報告されている 5)。よって，医薬品とサプリメントとの相互作用 を解明することは，サプリメントを使用している 癌患者の治療効果や安全を守る上で大変重要である。今回我々は，瞬芽ブドウ種子エキスiGS4000 と抗がん剤との相互作用について興味深い結果を 得たのでここに紹介する。