移植後cyclophosphamideを用いたHLA半合致移植を 施行した骨髄性肉腫合併骨髄異形成症候群

摘要

近年,移植後cyclophosphamideを用いたHLA半合致移植（PTCy-hapIo）が急速に普及しているが,骨髄性 肉腫（MS）を合併した骨髄異形成症候群（MDS）に対するPTCy-hapIoの有用性の報告は少ない。症例は37 歳,男性。2007年9月に低リスクMDSと診断され,免疫抑制療法が継続された。2019年7月の回盲部潢瘍 の生検病理でMSと診断され，8月の骨髄の染色体では予後不良であるー7が認められた。以上より,同種造血 幹細胞移植の方針となったがHUK適合同胞ドナーがおらず,同年12月にPTCy-hapIoが行われた。Day 33の 骨髄検査で完全寛解,完全ドナーキメリズムが確認され，day 54に回盲部潰瘍の瘢痕化が確認された。Grade I の急性GVHDを認めたが,ステロイド外用薬のみで軽快した。MSに対するPTCy-haploは有用な治療選択肢 の一つになり得ると考えられた。