百花繚乱エネルギーに一言: アートは、人と社会に彩りとエネルギーを届ける: アートは、人と社会に彩りとエネルギーを届ける

摘要

東日本大震災から八年後の二〇一九年秋。私は、東北復興支援活動の後、人気がない福島原発の帰還困難区域の夜道を涙しながら、ひとり車で走っていた。店舗の前にはバリケード。光や明かりがない、色や彩りがない景色が続き、虚しさに襲われる。復興がもっと進んでいると思っていた私は、人間の力では何ともできないことがあることを突き付けられた。その後、首都高速に入り、街の明るさと色が現れた瞬間、どれだけほっとしたことだろうか。やはり、人がそこに住み、電気やガスなどのエネルギーを使って生活できることが如何に尊いかということを、痛みに近いほどの感覚を得た経験として記憶している。