発症?再発予防のためのリスク管理高 血 圧

摘要

わが国においては,1970年代までは死因とし て脳卒中の占める割合が最も大きかったが，減 塩などの啓発や高血圧治療が進められたこと により減少している。しかし,その減少傾向も 1990年以降は底をついた形で推移しており21世 紀になってもその割合は悪性新生物と心疾患に 続き第3位であり,特にわが国を含め食塩摂取 量の多い東アジアにおいては重要性が高い疾病 である。また,脳卒中は死亡率に寄与するだけ でなく，救命されたとしても,後遺症をきたす ような場合には医療費や介護のマンパワーなど 長期にわたり大きな負担となることを考慮する と，脳卒中の予防は患者および家族とともに社 会的にも重要な課題である。脳卒中は動脈硬化 を基盤として発症し,その危険因子としては加 齢とともに生活習慣病が関係し 中でも高血圧 が及ぼす影響が大きい。本稿では,脳卒中のー 次予防，二次予坊のために効果的な血圧管理に ついて概述する。