複写機用カラーA3サイズ密着型イメージセンサ“WFシリーズ”

摘要

三菱電機の密着型イメージセンサ（Contact Image Sensor：CIS）事業は1986年にファクシミリ用途の製品として量産を開始し，2020年で35周年を迎えた。その製品群は複写機，金融端末（紙幣の真贋（しんがん）判別用途）や，産業用インライン検査機（印刷物の表面検査用途等）等に用いられている。今回開発した“WFシリーズ”は，複写機の原稿裏面読み取り用途に用いられるカラーA3サイズのCISである。複写機の蓋の部分に当たる自動原稿送り装置（Auto Document Feeder：ADF）の原稿搬送経路の途中に収納される。ADFの下にある原稿のおもて面を読み取る別のイメージセンサと合わせて原稿の両面を原稿搬送1回で同時に読み取る機能を成立させるためのキー部品であり，原稿裏面の読み取り速度の向上と原稿の折れ曲がり等の抑制に貢献している。複写機裏面読み取り用途としては，画質に加えて，ADFの狭い空間に収めるためのコンパクト性と高速性が必要になる。基本的に必要な機能については標準開発として多くの複写機に標準適用できるものを用意し，複写機メーカーそれぞれの差別化と使用方法に応じて，一部仕様についてカスタム対応にしている。