アトピー性皮膚炎と 脂質メディエーター

摘要

プロスタグランジン（PG)やロイコ卜リエン (LT)を代表とする脂質メディエーターは， 生体恒常性維持だけではなく，様々な疾患の 発症促進や制御に重要な役割を果たしている ことが明らかとなっている。慢性炎症性皮膚 疾患の代表であるアトピー性皮膺炎は，主に タイプ2サイトカインによって病態が形成さ れるが，病変部で多くの脂質メディエーター の変化が報告され，病態形成への関与が解析 されている。動物モデルを使った検討から， PGE2はEP2受容体を介しアトピー性皮膺炎 に制御的作用を発揮すること，LTC4は痒み の促進に関与することなどが明らかとされ， 脂質メディエー夕一をタ一ゲッ卜とした薬物 の治療応用への展開が今後期待される。