妊娠高血圧腎症の発症を予知する尿中バイオマーカー

摘要

妊娠惠血圧腎症（Preeclampsia:PE)は裏血圧とタ ンパク尿を主症状とする疾患で妊産婦死亡の主要 な原因ともなつている。PEは一旦発症し重篤化 すると治療が難しく. 「分娩」が唯一の治療法と なるため，妊娠34週未満発症の早発型は胎児の 予後に重大な影響を及ぼす。そのため，PEの発 症を予知する様々なアプローチが試みられている が，確実に発症予知できる検査法はまだ確立され ていない。尿は採取が容易な検体であるため，尿 検査でPE発症の予知が可能になればPEの早期 発症や重症化の予防につながることが期待され る。我々は尿中においてPE発症前に変動する物 質を探索し.Podocyte(Pod)関連タンパクである nephrin;血管新生因子であるPlacental Growth Factor(PIGF)に着目した。nephrin , PIGFはPE の発症予知に対して高い感度、特異度を有し.尿 中バイオマーカ一として有用であることが示唆さ れた。