進化するハイブリダイゼーションシステム

摘要

材料設計の分野では，業界を問わず複数材料の組み合わせによる高機能化·高付加価値化がますます注目を集めている。近年では対象となる材料のより一層の多様化·微細化が進み，さまざまな複合化技術が必要とされてきている。粒子の複合化において多くの場合開発の鍵となるのは，粒子表面における特性の変化，いわゆる表面改質である。酸化·還元や溶出など種々の化学反応は溶媒と粒子との接触面，すなわち表面において進行する。表面改質を行うことで上記の化学反応について影響を及ぼすことが期待できる。また，材料として考えたときには例えば導電性·電気抵抗などの電気特性や，光の散乱·吸収などの光学特性なども粒子の表面状態によって変化する。核となる粒子を保護するという観点からは，粒子の耐熱性，耐薬品性，耐摩耗性などやはり粒子表面における物性が大きく影響する。粉体工学的な観点から考えても，粉体の凝集性·分散性，流動性，充填性など粉体のバルクハンドリングにおいても粒子の表面状態が深く関係している。