ユシロ化学工業 ビタミンB2を活用した可視光応答性光触媒を開発

摘要

ユシロ化学工業は，ビタミンB2を活用した可視光応笞性光触媒「ジェンタミン」を開発し，新型コロナウイルスに対して感染力抑制効果を確認した。ビタミンB2は，牛乳や海藻やアーモンド等の食物に含まれる極めて安全性が高い化合物でありながら，光の照射により一重項酸素を発生させる。その酸化作用を利用して光線力学的療法や血液製剤の浄化などに応用されている。一方で，従来の技術では太陽光レベルの強い光エネルギーが必要であり，実用範囲が医療分野などに限定されていた。ユシロ化学工業は，実用的な光触媒の実現を目指して，ビタミンB2の 潜在能力を引き出し，屋内光レベルの微弱光で酸素から効率的に強力な活性酸素を発生させることができる技術の開発に成功した。本組成物を対象物に塗布し，室内の白色LED光の微弱光(500lx程度）を当てることで，細菌やウイルス，臭気物質などの酸化分解が可能である。安全性の高い原料で構成されていることに加え，体内は光が当たらない環境であるため，万が一体内に入った場合でも，光が当たらないため殺菌効果を発現しない。