メタジェンセラピューティクス(株)の FMT起点リバーストランスレーショナル創薬

摘要

1 腸内細菌創薬の現状 腸内細菌創薬が本格化し10年以上経った現在, 世界には309の腸内細菌創薬ベンチャーと1,250以上の創薬プログラムが存在する(https：//www. microbiometimes.com/). 腸内細菌創薬は様々なモダリティを含み,生菌を有効成分とする製剤は Live Biotherapeutic Products (LBPs)と呼ばれる. LBPにはドナー由来のものと培養由来のものがあり, 一部は遺伝子組換え株を使っている. LBPs以外では, 腸内細菌叢をモジュレートする食品成分やプレバイオティクスを活用するもの,および腸内細菌叢を生み出す有効物質や菌体成分を補充するポストバイオティクス的アプローチなど, 多岐にわたる.対象疾患として感染症,がん, 消化器,中枢,免疫性疾患などが含まれる.臨床開発の面では, Seres Therapeuticsのドナー由来経口カプセルrCDI治療薬(Ser-109)の有効性と安全性が第3 相試験で示され,腸内細菌製剤として世界で初めて薬事承認を得る見込みである.