ナノ医薬品?細胞外小胞の物理化学的 特性とその分析評価法

摘要

ナノテクノロジーを製剤技術に応用し,ナノ メー トルサイズの構成要素を有する医薬品の開発?臨床 応用が世界的規模で進んでいる.このような医薬品 は，「ナノ医薬品」または「ナノメディシン」と呼 ばれている.有効成分自身がナノメートルサイズに 結晶化された製剤や，ナノメートルサイズのキャリ アに有効成分が担持された製剤がある（表1）.治療 薬としてだけでなく新型コロナウィルス感染症に対 するワクチンのように，感染症や重症化を予防する ための手段としても用いられている.我が国では， 2001年から開始された第2期科学技術基本計画の なかで，ナノテクノロジーの医療への応用を推進す ることが示され，ナノ医薬品に関わる研究が急速に 促進されることとなった.