【副腎】:副腎偶発腫:遭遇したら,高血圧を見逃さない!

摘要

副腎偶発腫（副腎インシデンタローマ: adrenal incidentaloma）とは，副腎疾患と関係ない疾患または健康診断の際に,超音波,CT,MRIなどの画像診断により,偶然に発見される副腎腫瘍（その際,糖尿病および高血圧の合併の有無は問わない）である.画像診断の進歩と普及により,頻度が増加していると考えられる.副腎偶発腫瘍を発見したとき,臨床上最も問題となるのが,外科的治療をするか,経過観察するかの決定である.この方針決定の根拠は,①腫瘍が良性か悪性か，②自律的ホルモン産生能を有するかどうか，③増大傾向を示すかどうか,の3点である.しかし,これらの判断はしばしば困難であり,常に臨床医を悩ませる問題である.