床シィタケの低コスト栽培方法一「県産材料のこだわり」と機能性に着目一

摘要

キノコは、農山村の貴重な収入源として、あるいは産業として地域振興に重要な役割を果たしている。特に菌床シイタケは、冬季農林業の収入源となる重要な作物であり、秋田県では栽培者の新規参入や規模拡大を進め、年間を通じた生産体制の強化を図っている。一方、キノコ栽培の経営は、単価の低迷や資材コストの上昇の他、地球温暖化の影響によつて単収の減少や品質の劣化および冷房コストの増大など厳しい状況にある。菌床シィタケ栽培の経営の安定と健全化を図るためには、技術力の底上げによる収益性の向上に加え、生産費の抑制など独自の低コスト栽培技術開発により、他産地との差別化に取り組む必要がある。