ガスタービン設備の保守管理について

摘要

ガスタービンの高効率化によって燃料費の削減やCO_2排出量の削減を達成してきたが，その一方でメンテナンスという観点から見ると保守費用の増大という大きな問題を抱えるようになった。高効率化によるガスタービン燃焼温度の上昇に伴い，材料に求められる高温強度の上昇は，そのまま高温部品の価格上昇につながる。また，部品の寿命途中で必要になる修理においても，コーティング等の新技術に対応した新しい修理技術も必要になることから修理のコストも従来よりも上昇することが避けられない。更に設計上の部品寿命も従来より短く設定されることに加え，修理不可の損傷による廃却率も上がる可能性が高く，各高温部品のライフサイクルコストは従来に比べ上昇傾向にある。本稿ではこれらの諸課題に対する当社の取り組みやガスタービンの高効率化につながる取り組みについて紹介する。