ステロイドホルモン測定

摘要

ステロイドホルモンは微量で強力な生理作用を 示し，その量を正確に把握することは臨床診断及 び病態解析において非常に重要である。ステロイドホルモン測定には処理能力の高い免 疫学的測定法が広く用いられているが，基本的に 類似物質との交差反応やマトリックスの影響を受 けやすいという欠点がある。これらの問題を克服 し十分な性能を示す測定法もあるが，項目によつ てはキット間差や真値からの乖離が大きな問題となっており，この問題を解決する手段として，LC-MS/MSによるステロイド測定が注目されている。LC-MS/MSは，①LCによる分画，②Q1の分画，、 ③Q3の分画と三段階の分画を経ることにより， 極めて高い特異性を達成する。定量にはイオン化 した分子をシグナルとして用いるが，一部のステ ロイドは分子構造的にイオン化効率が低く，高感 度化には誘導体化が必須となる。当社は，誘導体 化を含む前処理法の開発に力を注ぎ，高精度，高 感度でかつ同時に多項目が測定可能なステロイド 測定法を開発してきた"。以下，その主な項目を 紹介する。