プロセッシング計算力学

摘要

塑性構成則では，塑性異方性のモデリングや高精度塑性構成則における材料パラメータの同定法，温間域での変形のモデリングなどに関する研究が報告された．また，結晶塑性モデルの応用研究も着実に進められている．塑性加工シミュレーションに関する実用的研究では，インクリメンタル成形などの大規模プロセスへの適用や，熱やミクロ構造などを考慮したマルチスケール·フィジックス問題の連成解析．複数の層や素材から構成される高機能材料の成形プロセス解析などの研究に進展が見られた．破壊予測では，純粋せん断変形に適用可能な延性破壊モデルの提案や破壊に及ぼすLodeのパラメータの影響調査といったモデルの高度化を目指した研究だけでなく，有限要素法に代わる新しい解析技術の適用検討など，予測の高精度化に向けて種々の観点から研究が展開された．また，計算力学とデータ科学の高い親和性を活かして，分野に依らずデータ科学を援用した研究が増えている．この傾向は今後，継続発展するものと考えられる．