乳牛の酸化ストレスと抗酸化物質

摘要

活性酸素とは，生体内で他の分子を酸化する力を 持った物質で，その一部は生体内のミトコンドリアの 呼吸鎖で生成されたものが，電子伝達系から生体内に 漏れ出’したものに由来している。加えて，自然免疫系 における好中球やマクロファージは，体外から侵入し た細菌を食作用によって殺菌するが，このとき細胞内 で活性酸素が生成され，その強い酸化力が殺菌に活用 されている)。活性酸素は，生体内の様々な成分を酸化することが 知られている。例え.ば，DNA,タンパク質，脂質を酸 化して，代謝の異常や生体膜の機能損失をもたらす。 このような，活性酸素によってもたらされる生体への 害を酸素毒と呼ぶ。活性酸素には，スーパーオキシド (0_2.),ヒドロキシラジ力ル(H0.) ’過酸化水素(H_2O_2) など，様々な種類がある。