2-2. ABO不適合同種造血幹細胞移植症例の血液型検 査結果の推移についての検討

摘要

ABO主?副および副不適合同種造血幹細胞移植では,移植数週間後にドナー由来のABO抗体により患者赤血球の溶血が認められる症例がある.しかし,長期的には患者型に対するABO抗体は検出されず,ほとんどの症例においてABO式血液型オモテ検査?ウラ検査が不一致となる.そこで,当院においての造血幹細胞移植症例についてABO式血液型の推移を検討したので報告する.【方法】2001年1月?2018年3月に当院血液内科で実施された同種造血幹細胞移植症例421例のうち,検討可能であった1.副不適合95症例および主?副不適合42例における移植後早期に検出された患者ABO型抗体,2.副不適合41例における移植後中?長期的な患者ABO型抗体の検出状況を検討した.