体重減少（食欲低下を伴わない）

摘要

体重減少は非特異的な症状であり,さまざまな疾患,多様な病態により引き起こされる.臨床的に重要な体重減少は「6?12カ月の間に体重の5以上の減少」とされており,まずこの定義を満たすかを外来で確認する必要がある.体重を測定する習慣がない患者もいるだろうが,その際は「ズボンが最近緩くなっていないか」「ベルトの穴の場所が変わっていないか」など,生活に即したことを確認していくとよい.家族が同伴しているなら,顔貌や体型の変化なども聞くとよいだろう.こういったさまざまな情報を集めて体重減少を確認できたら,次のステップに進むことになる.次のステップとしては，体重減少が患者の意図したものかどうかを確認することである.自分で意図して体重を減らそうとしているのであれば,病的なものである可能性は少ない.ボディイメージの歪みについての確認が必要であろうが，体重減少を軸として患者にアプローチする必要はないと思われる.