オンラインツールを用いたアンケート調査の可能性と課題 一農業分野における新型コロナ感染症拡大の影響に関する調査から一

摘要

新型コロ,ナウイルス感染症の影響（以下，コロナ禍） で，コミュニケーションの方法が大きく変わろうとして いる。筆者は学生時代に海外での留学経験があり，当時 からオンラインツールを用いて日本における大学のゼミ や打ち合わせに参加していた。したがって，以前から日 常的にオンラインコミュニケーションを行なってきたの で，オンラインツールを活用することの可能性は大いに 感じるところである。さて，オンラインツールを用いたアンケート調査は， 研究分野においても幅広く用いられてきた。しかし，同 時にその課題も指摘されており，一般的にサンプルの代 表性が保証されているかに留意すベきであるとされてい る。今後は，農業,農村分野においてもオンラインツー ルの活用が進むと考えられ，調査手法としてどの程度有 効なのかを検証していく必要がある。このことを踏まえ， 本稿は兵庫県下の農業関係者（農業生産者，直売所,マ ルシヱ，農家レストラン，農泊,農家民宿,ゲストハウ スの事業主）に対して実施したコロナ禍の影響に関する アンケート調査の経験をもとに，農業,農村分野の研究 活動において，オンラインツールを用いることの可能性 と課題について検討する。