EGFR L858R/ex 19 del/T790M複合変異を認めた肺腺癌の1例

摘要

要旨:症例は68歳の女性.約2年前から右肺上葉原発のEGFRエクソン21 L858R変異陽性腺癌に対して加 療された.新たに左肺下葉に浸潤影が出現し,経気管支肺生検にて腺癌細胞を認め,既知のL858R変異に加え,エクソン19欠失変異(ex 19 del)およびT790M変異を認めた.左肺下葉の新規病変はオシメルチニブ (osimertinib)開始後に一時縮小したが,短期間のうちに病勢は進行した.EGFRのcommon mutation同士 の複合変異に加え,T790M変異を認めた症例は稀であるため報告する.