子馬における受動免疫移行不全を 評価するための光学屈折計の評価

摘要

新生子馬における受動免疫移行不全(FPTI) は，その後の感染症リスクや生産者の経済的損 失を左右する重要な疾病である。そのため， FPTIの子馬には初乳の追加投与が必要になる が，子馬の免疫グロブリン（lg)の吸収には時間 的制限がある。今回紹介する論文は，FPTIをいち早く治療するために，現場で実施可能な検査 方法を評価したものである。馬の新生子は，出生時，無アグロブリン血症である と考えられる。これは，母馬の上皮絨毛胎盤が母体免 疫グロプリンの胎子への移行を妨げるためである。母 馬から新生子馬への免疫グロプリン（Ig)の移行は，初 乳によって供給されるIgの受動移行に依存してい る。子馬が母馬の初乳を介して十分な濃度のIgを吸 収できない場合,子馬は受動免疫移行不全(FPTI)に発 展する可能性がある。FPTIの子馬は，敗血症と敗血 症発症後の致死率が高い。