タイヤ回転を考慮したCFD技術によるデザインと両立する空気抵抗低減技術の開発

摘要

近年，環境問題や世界的な燃費規制を背景に自動車のCO_2排出量削減が重要課題となっている．空気抵抗は自動車のCO_2排出量を増大させる要因の一つであり，その大小を表す空気抵抗係数（Cd値）は車両周りの風流れの状態に依存する．われわれは車両周りの風流れにおいて渦が発生すると，風がもつ運動エネルギーが損失し，これに比例してCd値が大きくなると考えている．車両形状を平滑にするなどの手法で渦を低減することは可能であるが，既存技術だけに頼った制御は車両パッケージングやデザインに対して制約を与えてしまう．