液相を含む溶射：プラズマ溶射，HVOF溶射などについて

摘要

日本溶射学会設立60周年記念の企画の一環として，液相を含む溶射法について研究·開発の経緯や将来動向について総説的に執筆して欲しいという依頼を編集委員会から頂いた．筆者は1985年に金属材料技術研究所（当時の科学技術庁）に就職してプラズマ溶射に出会い，1997年には高速フレーム溶射装置を導入して公的研究機関で30年以上，これらのプロセスよる研究に従事してきた．その間に，諸先生·先輩から学んだこと，自分自身が実施した研究や学会等で得たことを基に読者の皆様に多少なりとも参考になることを書ければと思い浅学を顧みず筆を執ることとした．溶射技術の中でも大きな分野であり，全体を俯瞰してバランスよく記述するということは到底筆者のできることではなく，本稿は筆者の目で見，手を通して感じた事を交えながらの解説記事であり，厳密さや公平さに欠ける点があることはご容,赦頂きたい．