グラム陰性菌感染乳房炎における 原因菌検出キッ卜の有用性

摘要

2017年から2019年の3年間で臨床型乳房炎の乳汁106症例を用いて，原因菌種を細菌培養法によつ て特定し，Escherichia, coゾ/(以下ぶcoif), Klebsiella spp.を対象とした原因菌検出キットの感度，特 異度，精度を調査した。結果，感度82.0%,特異度87.596,精度84.9%であった。また，両細菌によ る乳房炎50症例で乳汁中の菌量をPCR法で，患畜の症状をカルテより調査し，菌量ゃ症状別にキット の感度を調査した結果，症状に関係なく菌量が1x105 copy/mL以上では感度が高くなる結果であつ た（1x106 copy/mL ： pく0.05,1x105,1x107,1x108 copy/mL ：pく0.01)。本キットは細菌分 離培養法に比べ短時間かつ生産現場で使用可能であり，酪農家が原因菌を把握して診療を依頼した り，獣医師が初診から原因菌を把握して適切に治療することが可能になると考えられた。