ビッカース硬さの自動測定に関する研究

摘要

ビッカース硬さ試験では，圧痕の対角線長さを計測顕微鏡で測る際に，読み取りを人の眼に頼っているため，試験者による違いや測定値にバラツキが生じる原因となっている。このため，近年では，その読み取りを画像処理により自動的に行うことのできる硬さ試験機も市販されている。しかし，金属組織が現出したような地模様のある測定サンプルでは，通常の画像処理でも圧痕の輪郭をうまく抽出することができず，自動での読み取りができない。本研究では，ビッカース硬さ試験における圧痕の輪郭検出，対角線長さの測定，HV硬さ計算を画像処理ライブラリOpenCVを使いPythonによるプログラムで自動化した。また，圧痕の検出にディープラーニング（PyTorch）による物体検出を適用し，その検出精度について検討した。