DSRC応用サービスの普及に向けて

摘要

DSRC（Dedicated Short Range Communications）は，元来はITSサービスのために専用に開発された狭域通信という意味であり，路側に設置された地上局と車両に搭載された移動局との間でデジタル情報の交換を行う比較的短距離の無線通信技術のことをいうが，国によって使用する電波の周波数帯や通信プロトコルが異なる． わが国では，DSRCは社団法人電波産業会（ARIB）が制定した標準規格ARIBSTD-T75に，5.8GHz帯の電波を用い，無線通信ゾーンを30m四方程度までの範囲内で自由に設定できる短距離#12539;小ゾーンの双方向移動通信として規定されており，通信対象をゾーン内の車両に特定できるというDSRCの特性を活かしたさまざまなサービスが実現しつつある．