守ロ漬残さの給与が肥育豚の発育と飲水回数 および肉質に及ぼす影響

摘要

本試験では，守ロ漬残さの給与が肥育豚の発育や飲水回数，枝肉および肉質に及ぼ す影響を調査した。供試豚は平均体重約50 kgの三元交雑種（大ヨークシャー種Xランドレー ス種Xデュロック種）48頭であり，雌2頭，去勢雄2頭の計4頭を1群として飼養した。区の 設定は，守ロ漬残さ無添加！飼料を給与した対照区，同残さを3%, 6%,12%添加した飼料を給与 した3%区，6%区，12%区の4区とし，各飼料を体重約110kgまで不断給餌，自由飲水の条件 で給与した。各区3群，計12頭を供試した発育調査では，12%区が対照区と比較して飼料摂 取量が有意に増加したがCP<0.05),その他の項目では各区間に有意な差はみられなかった。 各区2群，計8頭を供試した飲水回数調査では，12%区が対照区と比較して有意な増加がみら れた（尸<0.05)。対照区9頭，3%区11頭，6%および12%区12頭を用いた枝肉調査では，と 体長は，雌では3%区に比較して6%区の方が，去勢雄では対照区に比較して6%区の方が有意 に短くなったが（P<0.05),その他の項目では各区間に有意な差はみられなかった。対照区， 3%および6%区で各3頭ずつを用いた肉質調査では，いずれの項目にも有意な差はみられな かった。以上の結果から，飲水回数が増加することなく肥育豚に守ロ漬残さを給与するために は，発育，枝肉，肉質成績を合わせて考えると，6%までの給与が可能であると考えられた。