ウイルス性食中毒に関する話題: ノロウイルスの最新情報

摘要

ノロウイルスは，世界中で発生する胃腸炎の主要な原因として報告され，社会経済的損失の大きな疾患であることが認識されている。その証明は半世紀前にさかのぼる。1968年ノーウォーク（米·オハイオ州）の学校で集団胃腸炎が発生し，1972年患者の血清を用いた免疫電顕によって，その形態が明らかになり，集団胃腸炎の原因であることが証明された。その後，遺伝子検査が導入され，ノロウイルスを原因とする食中毒（集団胃腸炎）や小児の胃腸，炎が多数報告されることとなった。ウイルス検出に遺伝子検査が積極的に導入されるきっかけになったといってもよい。