再生医療等製品の効率的な製造を実現する 施設設計コンセプ卜の実証試験

摘要

クオリブス株式会社の細胞培養加工施設 (CLiC-1：Cuorips Labo-integrated CPF for advanced therapy-lst)は，気流バリアの生成 により外部からの微粒子等の侵入を防止する複 数の半開放型気流制御ブースを用いることで， 同一作業室内で定常作業である製造作業と同時 並行で，プロセスシミュレーション（PST)や 教育訓練（OJT)，生産機器の保守作業等の非 定常作業を進めることを可能としている。この クオリブス独自の新しい設計コンセプトの有用 性を明らかとするため，非定常作業の実施を想 定した任意のブースを汚染発生源とした微生物 を用いたチャレンジ試験を行ったところ，非定 常作業ブースで発生する微生物が，他の定常作 業ブースへ侵入することはなく，同作業室内の 空気循環処理により室外へ拡散するリスクも小 さいことが示された。半開放型気流制御ブースを用いた独自の新しい 設計コンセプトに基づく製造方式は，大量培養 を伴う再生医療等製品の製造において，単位面 積当たりの生産性向上に大きく寄与することが 期待される。