第二十一話「デンマルク国の話」から学ぶこと

摘要

「デンマルク国の話」という作品をお読み になられたことがあるだろうか？岩波文庫か ら「後世への最大遺物」という作品と併せて 1冊の本にまとめられて出版されており、こ の話自体はわずか20頁の短編である。筆者は 30年前の在デンマーク日本国大使館勤務の折 にこの作品の存在を知ったが、元々は1911年 に内村鑑三が東京都内で行った講演の記録 で、その7年前の1904年には日露戦争で日本 がロシアに勝利し、3年後の1914年には第一 次世界大戦が勃発するという日本が軍国主義 の道を歩み始めた時代に行われた講演であ る。