Georg Klein and David Murray : Parallel Tracking and Mapping for Small AR Workspaces

摘要

現実の環境に対してCGなどを重畳表示することで情報を付加することのできる拡張現実感(Aug-mented Reality ; AR)技術はエンターテインメント分野や商品プロモーションの場で見かけるようになってきている.特に,特定のパターンを印刷したマーカを利用する必要のないマーカレスAR技術は,Apple 社の ARKit や Google 社の ARCoreといったライブラリの充実により,手軽にAR環境を提供することができることから多くのアプリケーションで採用されている.これらのマーカレスARを実現するためのコア技術としてSimultaneous Localization and Mapping (SLAM)がある.SLAMを用いることで,現実環境の中でスマートフォンなどのデバイスがどのように移動したかを取得することが可能となる.マーカレスARではこの取得されたデバイスの動きに応じて描画されるCGの位置や向きなどを調整することで,あたかも現実の環境に存在しているかのように見せることを実現している.