極超音速で飛行するWaveriderに対する形状設計，数値解析および風洞試験による空力特性の評価

摘要

スペースプレーンと呼ばれる1段もしくは2段式の完全再使用型宇宙往還機は，亜音速から極超音速までの幅広い速度域での飛行を想定している．特に極超音速と呼ばれるマッハ数4程度以上の高いマッハ数では，亜音速の場合と比べて相対的に揚力が低下し，一方で抵抗が増大するため，揚力と抵抗との比である揚抗比（L/D）が低下する．例えば，遷音速で飛行する旅客機の場合はL/D＝20程度であるが，層流粘性を考慮した薄い平板のマッハ数10における（L/D）_(max)はせいぜい6.5程度である．したがって，遷音速で飛行するような航空機の形状とは異なり，機体の下面の圧力を揚力に生かすようなWaveriderと呼ばれる独特の細長い形状が必要になる．