外傷性凝固障害と外傷性DIGにおけるトロンビン産生?臨床的検討?

摘要

外傷による侵襲を受けると生体内では止血や組織修復のための生理的防御反応として,トロンビン産 生が亢進する.トロンビン産生を評価する指標にはトロンビン産生試験や可溶性フィブリン,アンチト ロンビンなどがあり,外傷患者でトロンビン産生が亢進することは,これまで多くの臨床研究で示され てきた.トロンビンの過剰産生は血管内皮細胞に存在する抗凝固機構の破綻を招き,更なるトロンビン 産生を引き起こす.外傷性DICとは,トロンビン産生が制御できなくなった病的状態であり,患者予後 の悪化へとつながる.