薬の影響を考える臨床検査値ハンドブック 第4版

摘要

年齢が上がるにつれ誰しも気になるの が,臨床検査値ではないだろうか.検査の たびに数値の上昇?下降に一喜一憂するも のの，それぞれの項目の意味するところま で理解している人はそう多くない.本書 は,巻頭附録に「重大な副作用に関連した 検査項目と症状別医薬品リスト」を掲載しており，疑われる疾患の診断だけでなく， 薬物治療中に検査値に変動があった場合 に,服用中の薬の副作用の可能性を探索で き，安全な薬剤管理や副作用の早期発見に 役立つものとなっている.本書はB 6サイズで381ページとコンパ クトだが，各検査項目の基準値はもちろ ん，測定法や使用検体の種類，臨床的意 義,疑われる疾患,薬剤の影響が載ってお り,充実した内容となっている.表紙裏の 見開きや裏表紙裏の見開きには,よく用い られる臨床検査値一覧や疾患別の検査項目 の索引があり,小型化のために無駄なスペースもうまく活用している.随所に見ら れるチャートやコラムも臨床検査の深い理 解につながり，また要所に掲載されている フルカラーの写真や巻頭にカラーで示され ている異常値判定スペクトルも，視覚的に 臨床検査の判定に対する理解を読者に促し ている.さらに本書では,EGFRやRAS など悪性腫瘍遺伝子検査についても多少触 れている.