環境改著に貢献するコーティング技術: WC系サーメット溶射皮膜の適用例: WC系サーメット溶射皮膜の適用例

摘要

近年，産業界の共通課題はESG（環境·社会·企業統治）経営への取り組みであり，ゼロエミッション社会，またはカーボンニュートラル社会の実現に向けた対応が求められている。また，先に行われた国連気候変動枠組条約第26回締約国会議（COP26）では，2050年のカーボンニュートラル，2030年までに温室効果ガスを2013年度比で46%削減する目標に向けた見直しが求められている状況である。現代社会を支えるエネルギーのほとんどが化石燃料の燃焼によつて生み出されていることから化石燃料を燃焼しない，すなわちCO_2を排出しない相当量の再生可能エネルギーを生み出す必要に迫られている。しかし，現実問題としては省資源化や省エネルギー化など環境に最大限に配慮した対応を行うなかで，原子力発電所の稼働や，カーボンプライシングの導入などの選択肢も考慮しつつ，自然エネルギーへの積極的な転換を図っていくのが現実的なように思われる。また，このようなカーボンニュートラルに向けた取り組みの中で，表面改質技術は様々な環境機器装置類への適用が進むものと予想される。