セルロースナノファイバーを用いた木材用耐候性塗料の開発

摘要

木材は、柔らかで温かみのある感触を有するとともに、断熱性や調湿機能などの快適性を高める天然素材である。リラックス効果やストレスの緩和など心理·情緒·健康面での効果もあると言われ、公共建築物や商業施設、住宅等の様々な用途で内外装ともに使われている。しかし、金属やタイルなどの他材料に比べて木材の耐候性は著しく低く、屋外に設置された外構用 木材は、紫外線·風雨·雪·気温の変化などの劣化因子によつて短時間で変色や汚染が発生するため、高い耐候性を持つ木材塗装システムが求められている。木材の塗装には、色や模様，光沢などのデザイン性を付与する「美観」、外構用木材としての「機能」、木質基材の「保護」といった多面的な役割を担っており、最近では、木材の色調や木目を生かした外構用木材への要望から、透明あるいは淡色系でかつ薄塗りの仕上げと耐候性を兼ね備えた木材用塗料の開発が望まれている。