気候変動と堆砂進行がダムの利水機能に及ぼす影響

摘要

近年，気候変動の影響が顕在化しつつあり，極端な降雨現象による洪水被害や長期間の給水制限が実施されるような渇水被害が発生していることから，その対策が課題となっている．気候変動は，日本では異常豪雨に伴う水災害の増大として捉えられているが，世界的には降水量の減少によって異常渇水のリスクが増大すると捉えられており，特に北アフリカなどの半乾燥地では問題が深刻である．また，近年，米国コロラド川の渇水によりフーバーダムが歴史的な低水位に陥っていることが報道されている．