温度と熱，EfficiencyとSufficiency

摘要

あるワークショップで「EfficiencyとSufficiency」について話し合っていた時，これは「温度と熱」に似ていると思った．温度と熱を短い言葉で定義することは意外に難しいが，EfficiencyとSufficiencyが想起させたのは熱力学，熱工学的な温度と熱ではなく，人が感覚的に理解する温度と熱である．温度は計測できる客観的な指標であるのに対し，同じ室温でも寒い戸外から室内に入った人は暖かいと感じるが，風呂上りの人は寒いと感じるかもしれない．体から熱が流出する速度の遅い/速いを，私たちは暖かい/寒いと感じているので，個々人の身体的条件（皮下脂肪の厚さなど）やその時の状態（汗をかいている，入浴で体温が上がっているなど）によって寒暖の感じ方には違いがある．