航空機設計 第66回 重心トラベル

摘要

前回は飛行機を作る側から重心位置許容範囲を 論じました。この範囲で運用してください、と言う 訳です。運用側の立場から言うと、常に重心範囲 に収まっているように飛ばさないといけません。離 陸前のペイロードと燃料の積載状況から総重量と重 心位置を計算し、飛行中の燃料消費に伴って重心位 置がどう動いていくかを計算し、着陸時まで常に収 まっていることを確認して、漸く離陸OKとなりま す。飛行中の重心移動(トラベル)をチャートに書 き込むと図1のようになります。後退翼機では(図 2)外翼タンクは重心より後方、内翼タンクは前方、 センター·タンクも前方、主翼桁間以外に胴体タン クがあれば、それも考慮に入れると、燃料を使う順 番で重心移動の様相が変わります。