超硬合金高能率加工用エンドミル「UDC-Hシリーズ」による最新加工事例

摘要

従来、超硬合金の加工は、電極による放電加工や電着砥石による研削加工が主流とされてきた。しかし、これらの加工方法には、リードタイムやコスト、加工形状の自由度、加工精度、インフラ整備といった種々の課題も少なくない。これに対して当社は、超硬合金加工用ダイヤモンドコートエンドミル「UDCシリーズ」や上級版製品「UDC-Fシリーズ」によって超硬合金の切削加工を実現し、新たな加工の選択肢を市場へ向けて提案してきた。この提案は多くのユーザーから好評を得ており、従来の加工方法から当社製品を使用した超硬合金の切削加工へと切り替えた例も極めて多い。一方、超硬合金の切削加工が浸透するにつれ、当社製品に対してはさらなる工具の高性能化が要求されるようになってきた。中でもとりわけ多いニーズが工具の長寿命化と加工能率の高能率化である。これは常に厳しいコスト削減にさらされているユーザー側からすれば極めて切実な要望であり、切削工具メーカーである当社としても重要課題と認識して応じていく責任がある。そこで、われわれはこの要望に応えた新製品として超硬合金高能率加工用エンドミル「UDC-Hシリーズ」を開発し、2020年9月より順次販売を開始している。本稿では、UDC-Hシリーズの特徴と加工事例、使用上のポイントについて説明する。