ITS－セカンドステージヘ：交通管制システム

摘要

本稿では，都市街路における交通管制システムの沿革及び概要を記すとともに，ITSを活用した研究成果及び最近の動向を記した．街路交通管理の中枢として定着した交通管制システムも整備開始以来，30年以上の歳月が流れたが，これまでの最大の課題は交通流の把握であった．きめ細かな信号制御，交通情報提供は，強力な情報収集の上に成り立つものであり，従来から機器の整備とともに，多大な労力と時間をかけて行われてきた．こうした中で，光ビーコンによって双方向通信が実現されたことは交通管理施策上，大きな成果である．加えて，近年，情報の圧縮化による大容量の情報収集も試みられ，また，交通流シミュレーションを通じた環境負荷推計等も可能となった．今後，さまざまな手段を活用し，より実効性のある交通管制システムの構築が期待される．