書評

摘要

発売直後に購入し，8割方読んだ感想.安い.なぜ この内容をこの値段で？医学書院は本でもうけるこ とをやめてしまったのか？医学生や研修医の皆さまは.診察の教科書と閜くと まずマックバーニー圧痛点とか口ンベルク徴睽といつ た，「名前のついた手技」が載っているのかなとィメー ジするかもしれない.でもそれよりずっと奥深い.甲 状腺を触診するときのコッは？小脳優位の症状を ざつと述べるならば？患者が診察室から去り際に付 け加えがちなセリフとは？今日もどこかの診察室で 必ず行われている医療面接や診察手技の，意義と手順， ェビデンスとナラティブが，圧阖的な分量で詰めこま れている.でも，若き医師たちはこう答えるかもしれない.「成書が大事なのは知ってますよ.臨床をローテ一 シヨンすると.上級医たちが,それぞれ自分の得意な 領域でだけ豊富な語彙で，経験を振りかざしてマウン トをとってきますからね.診察の奥義が一冊にまとめ てあるってなら，いい本だろうなあ.全部読めたらいい. でもそんな暇はないです.診察手法は今時YouTube で検索したほうがきちんと理解できるし，紙の本を買 う意義なんてないですね」気持ちはわかる.でも，私たちはやっぱり，サパイ ラを読むべきだ.