加工困難形状の高速な可視化システムの開発

摘要

機械部品の工程設計では、用意されている工具で部品が切削加工可能かどうかを判断する作業が必要となる。切削加工が困難な形状は放電加工などを用いて製作する必要があり、加工コストの増加を招いてしまう。設計変更により問題解決を図ることもあるが、場合によっては大きな手戻りが生じてしまう。このような問題の解決を目的に、入力された部品のCADモデルが、用意された切削工具で製作可能かどうかを高速に判定し、加工困難な形状があればそれを可視化するシステムを実現したので報告する。本システムは、加工シミュレーションを繰り返し適用することで加工困難形状を抽出する。シミュレーション過程を適切に記録することで、その形状が加工困難な理由もわかりやすく示すことができる。設計者が本システムを用いて部品形状をチェックすれば、設計時に加工困難形状を検出して修正できるので、加工コストの低い部品を効率的に設計できる。