断片1: 暮らし、愛し、問いかけた東京

摘要

日本の都巿性について最初に考察を，めたときから、私はロラン·バルトの英知に拠りどころを求めてきた。バルトもまた「日本を西洋文化の対極に位置づける必要性」(Barthes,1982)を留保しようとする一方で、不可避的に「現実の体験、及び体験の現実を表象することの複雑さにたいして、洞察のひらめきをもたらす」システム、それ以上でも以下でもない、「システムとしての日本」Trifonas,2001)をはいだしているここでいう洞察のひらめきが、この特集号を構成的およびテキストによるエッセィのもととなり、それらを惹起している。