乳癌化学療法中に入院を要する咽頭喉頭炎を合併した1例

摘要

要旨 症例は45歳，女性。左乳癌,cT1N1M0, cStage IIA, Luminal B （HER2陽性）の診断で,エピルビシン，シクロホスファミド（EC）療法を開始した。3サイクル目施行中に38℃以上の発熱，咽頭痛を認め，経口摂取困難となった。喉頭内視鏡検査でアフタ付着を伴う著明な咽頭喉頭発赤を認め,咽頭喉頭炎の診断で入院となった。入院3日目には喉頭浮腫もみられステロイド投与を開始し,その後は症状の改善が得られた。化学療法の合併症として,入院を要する咽頭喉頭炎はまれであるため報告する。