ホトリエノールの経口摂取による精神的ストレス および唾液バイオマーカーに及ぼす影響ーランダム化プラセボ対照二重盲検クロスオーバー比較試験ー

摘要

近年,世界的な経済悪化や少子高齢化など,われ われを取り巻く環境は大きく変容し,それに伴いス トレスの内容も変化してきた。過度なストレスや慢 性的なストレスは,肥満や糖尿病,睡眠障害などの 症状を引き起こすことが知られており,なかでもう つ病などの気分障害の患者数は年々増加しているこ とが報告されている。2015年には労働者に対する メンタルヘルスケアの一環としてストレスチェック 制度2）が施行されるなど,ストレス対策は重要な社 会課題となっている。人間は生体外からの刺激であ るストレッサーにさらされた際,神経系,内分泌系, 免疫系が協調的に作用することで,生体の恒常性を 維持しているが,ストレス状態が長期間持続する と,これらのバランスが崩れ,ストレス関連疾患に 陥ると考えられている。したがって,乱れた心身の 恒常性を改善するためには継続的なストレス緩和を 行うことが重要であるといえる。