急性の下腹部痛:憩室炎

摘要

症例:65歳女性. 3日前から左下腹部の違和感,圧痛がみられていた.朝から発熱を認めたため,発熱外来受診となった.COVID-19抗原は陰性であった.右下腹部に圧痛を認めたが，反跳痛は認めなかった.腹痛,熱源精査のために血液検査，尿検査，腹部単純CT検査を施行した.血液検査ではWBC 19,800/μL, CRP 17.5mg/dLと炎症マーカー高値を認めた.その他 尿検査含め異常所見は認めなかった.CTではS状結腸の壁肥厚と周囲脂肪織濃度の上昇,微小な腸管外airを認めた（图 1）.また，上行結腸とS状結腸には憩室が多発していた.S状結腸憩室炎,微小穿孔の疑いにて入院となった.抗菌薬投与と5日間の絶食にて解熱，腹痛改善を認めたため，重湯から食事再開し,食上げを行い10日間で退院となった.1カ月後,悪性腫瘍否定目的に大腸内視鏡検査施行予定となった.