中枢神経症状と感染症

摘要

中枢神経系感染症は迅速な診断と治療が必要な救急疾患と認識する.中枢神経症状を診る際は,感染症と非感染症の両者を系統立てて丁寧に鑑別する.とくに細菌性髄膜炎を疑った場合，髄液検査や血液培養の閩値を低く保ち，30分以内に抗菌薬を開始する.中枢神経系感染症はまれであるが，たとえば細菌性髄膜炎では数分の遅れが致死的な経過や神経学的後遺症につながりうるなど患者予後にもたらす影響は大きい.臨床医はこの病態を救急疾患と認識し 疑った場合は迅速な診断と治療が必要である.